通勤電車の中ではほぼすべての時間をKindleによる読書にあてていたが、コロナ禍でオフィスへの通勤が無くなったことに伴い読書量が減った。

通勤電車に乗っていた時間はなくなったわけではなく、「その時間」に「その場所」へいないだけなので、通勤が無くなったからといって読書量が減るのは論理的におかしい。

この原因はセルフマネジメント能力不足の他に「制約のメリット」という側面もあるのではないだろうかと考えた。

アイデアを考えるとき、あえて制約を設けたほうがアイデアを出しやすくなるというのは良く聞く話だ。

なんの制約もないと、アイデアをどこから出したらいいのか悩んでしまいます。制約を自分で設定して、乗りこなすことができれば、もっと考えやすくなる。

「斬新なアイデアを考えたいから、真っ白な気持ちで考えたいんだ」という人もいるでしょう。ですが、思考する範囲を限定する(枠をつくる)と、その範囲に「集中」することができるようになるので、対象について、より「深く」考えることが可能になります。

「制約」ということばからは、どちらかと言えばネガティブな印象を受けるが、あえて「制約」を設けることで得られるメリットもあると考えて良さそうだ。

自分の例で言えば、出勤時の電車内という「時間」と「場所」の制約により、できることが限定され、その中で優先順位が高かった「読書」を習慣化できていたということだと思う。

リモートワークのような制約が少ない環境では、自発的に制約を設定し使いこなすような考え方が必要なのかもしれない。

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