美味しんぼ、孤独のグルメ、深夜食堂、神の雫など、食をテーマとした作品が作品が好きなのですが、最近、読んだ「酒」にまつわるエッセイで良かったもの3冊を紹介します。

『酒場歳時記』吉田類

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『吉田類の酒場放浪記(BS-TBS)』でお馴染みの吉田類による文章で読む酒場放浪記。

この本は、どの酒場のどの料理がうまいといった紹介本ではありません。

個性的で魅力あふれる大衆酒場へ集う人たちの人間模様や繰り広げられるドラマ、酒に関する考え方、時には人生観までを吉田類の視点で描きます。

映像で見る『酒場放浪記』とは違い、大衆酒場の雰囲気やにおいを文章から喚起されるのが楽しい。

巻末にある「酒場八十八句集」という俳句集もしみじみと良いです。こんな感じ。

朴訥と板場の技の冴ゆる夜や

紹介されている店を訪れて、同じ酒場をどのように感じるか。その違いを感じてみたい。

一人で呑みに行きたくなる一冊です。

『酒(しゅ)にまじわれば』なぎら健壱

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なぎら健壱による飲兵衛エッセイ。この本も吉田類『酒場歳時記』と同様、紹介本ではありません。

自身が訪れた酒場でおこったさまざまなエピソードを、アルコール臭ただよう雰囲気のある写真とともにつづります。

なぎらさんは写真を趣味にしているだけあって、どの写真も味があります。渋い。

なぎら健壱さん 散歩の楽しみを教えてくれたカメラ(1/1) — 有名人のお宝カメラ — 極める — [どらく]

下町、酒場、そこに集うひとたちへの愛を感じるエッセイ。読むとほっこりとします。

『昼のセント酒』久住昌之

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『孤独のグルメ』原作者 久住昌之による「銭湯」×「ビール」のエッセイ。

街の銭湯につかり、近くの酒場へ行って明るいうちから一杯やる「昼のセント酒」

広い湯船にゆっくりとつかり、さっぱりしたからだへ流し込む冷えたビール。鉄板の至福。

それを「明るいうち」からやってしまう背徳感が、悦楽を何倍か増しにするんでしょうね。お金をかけずに得られる贅沢な時間です。

あぁ、「銭湯」×「ビール」×「昼間」のコンボをキメてみたい。暖かくなったら、絶対にやってみよう。